県内外の伝統芸能の競演やフォーラムを多彩に繰り広げる越中八尾冬浪漫(ロマン)は
六日、八尾町の越中八尾観光会館で開幕した。おわら、こきりこ、秋田県羽後町の国指定
重要無形民俗文化財・西馬音内(にしもない)盆踊りが競演する「民謡セッション」を行
い、約六百人の民謡ファンを魅了した。二十七日まで。北日本新聞社共催。
初日のみ特別出演した西馬音内盆踊りで幕開けし、囃子(はやし)方が勇壮な太鼓の音
色、にぎやかな歌、笛、三味線を響かせた。色とりどりの布をつなぎ合わせた端縫(は
ぬ)い衣装や浴衣に身を包んだ踊り手が、しなやかな手ぶりと滑るような足さばきで優雅
な雰囲気を漂わせた。
南砺市(平)の越中五箇山こきりこ唄(うた)保存会は「くわ金」やこきりこ竹などの
素朴な音色に合わせ、情感を込めて歌い上げた。舞台に霧状の白煙が立ち込める中、狩衣
姿の男性がささらを頭上に振りかざしながら、勇壮に踊った。
フィナーレを飾った八尾町の県民謡おわら保存会は三味線、胡弓、歌などの地方(じか
た)と、浴衣、編みがさ姿の女性、法被姿の男性の踊り手が会場の通路で町流しを演じ、
舞台に上った。石畳の同町諏訪町を描いたスクリーンを背景に優美な舞を披露し、幽玄の
風情を醸し出した。
開会に先立ち福島順二越中八尾観光協会長が「将来は世界の伝統芸能を招いて開催し、
観光の町・八尾を大きく発展させたい」、梅沢北日本新聞社長は「八尾の輝きを増すた
め、観光協会の壮大な構想に全面的に協力していきたい」とあいさつした。
民謡セッションは十三、二十七日にも行われ、おわらと五箇山の麦屋節、こきりこ、と
いちんさを演じる。二十日は曳山・獅子囃子鑑賞会、二十六日は越中八尾駅周辺の再整備
をテーマにした中心市街地活性化まちづくりフォーラムがある。
05,02,12- 北日本
13日に越中八尾観光会館ホールで開かれる「越中八尾冬浪漫」(北日本新聞社共
催)の民謡セッションに向け、越中五箇山麦屋節保存会(南砺市下梨・平)は11日、
南砺市下梨(平)の若者センター春光荘で踊りと演奏をけいこした。
民謡セッションでは、越中おわらと五箇山民謡が共演し、冬浪漫の呼び物になってい
る。同保存会のほか、越中五箇山こきりこ唄保存会(南砺市上梨・平)と越中五箇山民
謡保存会(南砺市上平地域)、富山県民謡おわら保存会(八尾)が出演する。
この日は、麦屋節の笠踊りや手踊りなどを練習した。哀調を帯びた音色が響く中、地
方と踊り手が息を合わせ、一糸乱れぬ演技に磨きをかけた。セッションでは、麦屋節を
はじめ、早麦屋、古代神、四ッ竹節、長麦屋を披露。メンバーは「麦屋節のよさを多く
の人にPRしたい」と意気込んだ。
セッションは午後1時からと同3時からの2回。鑑賞料は1人2800円、団体(2
0人以上)は1人2500円。27日も同じ時間帯で行われる。問い合わせは越中八尾
観光協会、電話076(454)5138。
05,02.13- 北日本
おわら演奏と踊りを披露し、風の盆の雰囲気を漂わせる風の盆ステージは12日、八
尾町の越中八尾観光会館で行われ、大勢の来場者を楽しませた。
毎月第2、第4土曜に開催する年間イベントで、今月中の12、26日は県内外の伝
統芸能が競演する「越中八尾冬浪漫(ロマン)」(北日本新聞社共催)の催しの一つと
して行う。
県民謡おわら保存会のメンバーが出演し、三味線、胡弓などの地方(じかた)が哀調
を帯びた音色と歌声を響かせた。編みがさ、法被姿の男性が農耕の様子を表した勇壮な
男踊り、浴衣姿の女性がホタルを追う所作を取り入れた優美な女踊りをたっぷりと演じ
た。
地方のみの演奏、正調や字余りなどさまざまな形式の歌を披露し、おわらの奥深さを
紹介。町流し風に掛け合いの歌も演じ、来場者はうっとりと見入っていた。
13日はおわらと五箇山の麦屋節、こきりこ、といちんさが競演する民謡セッション
が行われる。第1、第2公演があり、それぞれ午後1時と3時に開演する。
05,02.15- 北日本
民謡競演やフォーラムを多彩に繰り広げる「越中八尾冬浪漫(ロマン)」(北日本新
聞社共催)の催し「民謡セッション」は13日、八尾町の越中八尾観光会館で行われた。
富山を代表するおわらと五箇山民謡が郷土色豊かに披露され、大勢の民謡ファンを魅了
した。
今回の「冬浪漫」で初登場となる越中五箇山麦屋節保存会(南砺市下梨・平)は三味
線、胡弓の音色に合わせ、きびきびとした動作で笠(かさ)踊りを披露。踊り手と地方
(じかた)が全員で、祝い事の際に披露される「長麦屋」を朗々と響かせた。
越中五箇山民謡保存会(南砺市・上平)は「といちんさ」で始まり、かすり、もんぺ
姿の女性が軽快に踊った。牛に荷物を運ばせる牛方が歌ったという「五箇山追分」もテ
ンポ良く演じ、山里の素朴さを漂わせた。
越中五箇山こきりこ唄(うた)保存会(南砺市上梨・平)は狩衣(かりぎぬ)姿の男
性がささらを振りかざしながら勇壮に踊り、着物姿の女性はしなやかな手ぶりで舞を繰
り広げた。
県民謡おわら保存会(八尾町)は会場内の通路で町流しを演じながら入場。哀調を帯
びた三味線、胡弓、歌に合わせて、男女の踊り手が洗練された舞を披露した。
東京から訪れた渋谷展子さん(45)は「各地域の風土が表れた優しげな民謡ばかり。
あらためて富山が好きになった」と話していた。
「民謡セッション」は「冬浪漫」最終日の27日にも行われる。
05,02.23- 北日本
県内外の伝統芸能が競演する越中八尾冬浪漫(ロマン)の曳山(ひきやま)・獅子囃
子(ばやし)鑑賞会が20日、八尾町の越中八尾観光会館で行われ、典雅な風情の囃子
や勇壮な獅子舞を繰り広げた。北日本新聞社共催。
曳山を所有する同町中心部の6町内が、5月の越中八尾曳山祭で奏でる囃子の寒げい
この成果を発表した。各町内が競い合って芸を高めようと毎年開き、12回目。
曳山の露払いをする鏡町の獅子舞からスタート。笛や太鼓に合わせ、獅子頭を左右に
振りながらエネルギッシュに舞い、やりを手にした獅子とりの子どもたちとの掛け合い
も巧みに演じた。
曳山囃子は東町、今町、下新町、西町、上新町、諏訪町の順に登場した。ゆったりと
したリズムで大太鼓を打ち鳴らし、三味線や笛で「一の手」「二の手」などの本囃子、
ちょうちん山が各町内に戻る際の「帰り山」などを次々と披露。情感こもった歌を朗々
と響かせた。端唄(はうた)や浄瑠璃などの流れをくむ味わい深い音色と歌声で、来場
者は静かに聴き入っていた。
「冬浪漫」は26日にJR越中八尾駅周辺の再整備をテーマにした中心市街地活性化
まちづくりフォーラムと、おわら演奏や踊りを披露する風の盆ステージを開催。27日
はおわら、麦屋節、こきりこ、といちんさが競演する民謡セッションを行い、閉幕する。
05,02.27- 北日本
県内外の伝統芸能が競演する「越中八尾冬浪漫」の一環として、「駅周辺から考える
八尾のまちづくり」と題したフォーラムが26日、八尾町の越中八尾観光会館で開かれ
た。JR越中八尾駅周辺整備について、東京大大学院生らから「おわらの町」の玄関口
にふさわしい提案が相次いだ。北日本新聞社共催。
越中八尾駅と町の旧町部は1.5キロ離れている。東京大大学院工学系研究科の西村
幸夫教授と同大学院都市デザイン研究室のメンバーは昨年、駅周辺でフィールドワーク
を重ねて、駅と旧町部の連携を高めるための方策を検討してきた。
フォーラムでは西村教授とコンサルタント会社「玄」の政所利子代表、都市デザイン
研究室の助手、大学院生が、駅から旧町部に至るゾーンの整備構想についてイメージ図
を示しながら発表した。
駅舎については、観光案内所とレストランを併設した交流・観光施設、おわらを披露
できる屋根付きステージを周囲に配置することを提案。駅から旧町部への回遊性を高め
る方策としては、立山連峰が望める高台に「眺めの特等席」と名付けたミニ広場を整備
したり、駅前の裏通りに水路や周囲の緑と調和した空間をつくり出したりすべきとした。
西村教授と政所代表は「土間付きの家がある町並みなど今の魅力を磨いていくべき」
「気軽に井戸端会議ができるカフェを設け、地元住民が日々足を運ぶ仕掛けが必要」と
述べた。
会場からは「空き家を観光客の休憩所に活用できないか」などの意見が出された。
フォーラムの詳報は3月2日の北日本新聞朝刊に掲載する。
05,02.28- 北日本
県内外の民謡競演やフォーラムを多彩に繰り広げる「越中八尾冬浪漫」は最終日の2
7日、八尾町の越中八尾観光会館で「民謡セッション」を行い、閉幕した。県内外から
370人が詰め掛け、富山の豊かな風土にはぐくまれたおわら、五箇山民謡の風情を心
行くまで満喫した。北日本新聞社共催。
越中五箇山こきりこ唄(うた)保存会(南砺市上梨・平)は、狩衣(かりぎぬ)姿の
男性がささらを鳴らしながら勇壮に踊った。
越中五箇山民謡保存会(同市・上平)は軽やかなリズムで「といちんさ」「五箇山追
分」などを披露。越中五箇山麦屋節保存会(同市下梨・平)は三味線、胡弓の音色に合
わせ、きびきびとした動作で笠(かさ)踊りを演じた。
フィナーレを飾った県民謡おわら保存会(八尾町)は、会場通路で町流しの様子を再
現。石畳の諏訪町通りのスクリーンを背景に哀調を帯びた三味線、胡弓、歌を響かせ、
優雅な舞を繰り広げた。
群馬県前橋市から観光ツアーで訪れた吉田久江さん(52)は「数年前に群馬でおわ
らを見て以来のファン。哀愁が何とも言えない」と感激した様子。同県沼田市の井熊正
治さん(65)は「どれも素晴らしい。ゆっくり見ることができた」と喜んでいた。
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