・政府は農家に補助金を与えていない。
・一農家当たりの平均農地面積は3,000ha以上である。都市志向の若者が増えたため、若い農業者が減りつつある。
4.農業生産について
・牛肉が農業粗生産で最も大きなシェアを占めている。西オーストラリアの小麦は、日本向けうどん用の小麦となっている。
プライムハードの小麦は日本向け中華麺となるが、干ばつのため、ともに収穫減となっている。
5.農産物輸出入について
・日本向けは、やや停滞している一方、中国向け輸出は拡大している。
・世界市場の小麦価格が高騰している。そのため、食料品が安く手に入る時代は終わったのではないか、食糧品需要はますます
増えるのではないかと予測されている。
・対日輸出品目は、牛肉をトップにチップ、小麦と続く。アワビやマグロ、エビも見られる。
・日本からオーストラリアへの農水産物や食料には、大ぶりのホタテ貝や真珠、醤油、味噌、緑茶、うどん、そばなどが見られる。
しかし総額では49億円である。
【まとめ】
オーストラリアは、資源国・食糧国だから豪ドルの価値が高くなっていく傾向がある。従って、オーストラリアは購買力が増して
くるので、日本はオーストラリアに観光を含めて日本食の売り込みをかけるチャンスをつかむこと、また、日本に関心を持つオー
ストラリア人をできるだけ増やすことが大事であるという印象を持った。
※ (参考までに)
救急車出勤は有料 1回 ¥15,000
たばこ 1箱 ¥1,200
ビール 1本 ¥80
ミネラルウオーター 1本 ¥300
ガソリン 1リットル ¥140
消費税 10%
ニューサウルスウェールズ州第一次産業省シドニー事務所
平成20年2月14日(木)
報告者:山辺美嗣
午後2時より4時まで、ニューサウルスウェールズ州第一次産業省シドニー事務所を訪問。
レナータ・ブルックス次長他2名の職員より農業政策について説明を受けた。また、当方からは、準備した資料に
より日本及び富山県の農業の現状について説明した。以下に事前調査も含めて今回の調査をまとめる。
1.オーストラリアは農業大国ではない。先進農業国である。
オーストラリアの人口は2千万人と日本の6分の1である。農林漁業生産額は、1.2兆円であり、日本の8兆円の
やはり6分の1である。農林漁業就業人口比率も4%台であり、日本の3%台と変わりない。つまり産業構造としては、
日本と変わらない先進国である。ところが食料自給率は270%であり、輸出競争力がある。圧倒的に生産性が
高いのである。
2.国内農業政策は州の権限
オーストラリアは連邦国家であり、6州2自治区が内政権限を有している。
豪州農業の特徴は @輸出に力点がおかれている A補助金はない B国際競争力がある C効率が高い D高度に機械化
している E労働生産性が高い
F技術革新に対応しているの7点をNSWはあげている。
こうした豪州農業の特徴は、行政祖識にも表れている。
NSW州第一次産業省には3,690人の職員がいて予算は420億円であるが、給与等の経常費と行政としての
事業費のみであり補助金は無い。職員のうち防疫や研究開発に従事する専門職が1,143人、農林漁業者への
情報提供や経営指導に当たるサービス部門に599人、営林事業部門に1,023人、鉱山監督部門に245人と
殆んどがスペシャリストである。
3.ニューサウスウェールズ州の農業政策
「収益力があり持続可能な農業が活力あふれる地域をつくる」それを実現するのは次の諸点としている。
1 農業の強い経済性
2 自然資源の賢明な活用
3 健康と安全に貢献する産業
4 政策に農業者の声を反映
5 効率的な行政サービスの提供
4.行政機能の中心は人材育成、研究開発、事業者へのサービス
NSW第一次産業省の事務所等の配置には特色がある。
先ず、大学を1校設置していること。そして、州内に11の研究センターと9の調査事務所を設けており、
人材育成と技術革新に重点を置いている。
次に、本省の他に州内に176の出先事務所を持ち、400以上の指導員が戸別訪問、グループ会議、
現地講習会、セミナー開催などにより、農業、漁業の指導サービスを提供している。
(財)自治体国際化協会シドニー事務所
「オーストラリアの地方自治について」
平成20年2月14日(木)
報告者:高野行雄
オーストラリアに着いての3番目の視察、研修としての財団法人クレアシドニー事務所を訪問いたしました。
そこで池田所長から1時間あまりオーストラリアの概況及び地方行政事情の説明を受け、活発な質疑を行うことが
出来ました。クレアとは自治体国際協会のことであり、地方公共団体の海外における活動の支援を行っているのが
大きな業務であります。職員14人中邦人が10名であり、大半が日本の市の職員からの派遣であります。
オーストラリアは日本の国土の20倍であり、人口は6分の1で国内総生産も同じ6分の1であります。輸出入の
相手国は日本が一番でありそれだけお互い重要な国のパートナーであります。国の構成は、かって一つの国で
あった州をまとめて連邦制を導入したわけであります。連邦は外交、防衛、高速道路、年金などを執り行い、州は
警察、消防、病院、公立学校などを、また地方自治体はごみ収集、公衆衛生、山火事、児童保育などの業務を執り
行う構成になっております。エリザベス二世女王を元首とする立憲君主国でありますが、実際の最高権限や決定権は
連邦議会や内閣がもっているわけです。連邦議会は二院制をとり上院は各州より平等に76人、また下院においては
150人の構成であります。州の政治体制は州総督が広範囲な権限をもち議院内閣制をとり上院は42名、下院は
93名であり任期は4年となっています。また地方自治体は各州の地方自治体法により設置、組織や運営が規定
されており、生産環境サービスが中心であり日本の市町村の業務と比べて極めて限定的であります。各自治体に
より相当差がありますが、生活に密着したものが多く、近年更に業務が増えて来ているとの事であります。また
財源は土地に対する固定資産税が地方自治体の唯一の税源でありますが。総額の38%であり、交付金として連邦
政府から州を経由して使途を特定されない一般財源金及び使途特定交付金を、また州政府からは使途特定交付金を
交付されます。日本の制度とやや似ているところを感じます。
これからは、国だけの交流以上に、県と州等の地方との交流を活発にして、更に理解を深めていくべきと考えます。
ハンターバレー アローフィールド ワイナリー
「食品産業の海外進出について」
平成20年2月15日(金)
報告者:神田真邦
(視察先概要)面談者:バリー氏
北陸コカコーラグループが1990年に経営権を獲得した。北陸コカコーラ100%子会社
立地はシドニーから北へ250km、車で約2時間半の位置にあるハンターヴァレーにある。
(ワイン製造及び出荷状況)
ヴィンヤードは約49万uに及び、製造されたワインの出荷先割合は国内が60%、海外の輸出が40%となっている。
そのうち主な輸出先が英国・日本・タイとなっており、日本の輸出割合は輸出全体の10%程度となっている。
ワイン貯蔵量は月200万?程度
ボトル本数に換算すると約40万〜60万本に相当
(事業展開)
現在までにヴィンヤードを拡張しつつ、ワイナリー施設の改良も行い、品質の向上にも努めながら事業の拡大を
図っている。
特に昨年から「マイワイナリー制度」を導入し、1区間(2000u)あたり400万円程度の利用料金で、区間
の15年占有を保障し、年4回計100本のワイン(赤・白)を提供する事業も開始されている。
この事業において、安定経営にむけた資金調達も図っている。
今後は「ワイナリー制度」を利用する方々から、アローフィールド社のワインが広く本県においても周知される事と
期待したい。又、本県におけるワイン製造会社との交流も、今後視野に入れた事業展開を北陸コカコーラ社に求めて
いく事も必要でなかろうかと考える
アンガス地区食肉牛生産農家視察
「畜産農家の企業的経営について」
平成20年2月16日(土)
報告者:宮本光明
視察を行った、アンガス地区生産農家は約1,000エーカー(1エーカー=4046.856u)の敷地で
3〜4の牧場で成り立っており、約300頭の繁殖牛と子牛が放牧されています。
今回の視察では、現地ガイドのグラントさんが案内をしてくださいましたが、このグラントさんは日本では
余り馴染みがない「農業コンサルタント」といわれるような職業で、農家の経営から生産技術指導、さらに
販売等の一括した窓口のような仕事をされている方です。
視察前の打ち合わせで、今回の視察の目的である「食の安心安全」「政府関係の安心・安全のための施設視察」
の目的を告げると、の生産農家訪問前に家畜の集荷場へ案内されました。ここでは、牛や羊、ヤギなどが集荷
されており、主に生産農家ではなく家畜としての販売がされている施設ではありますが、牛の耳にはしっかり
とタグは取り付けられ一頭一頭の検査が確実に実施されていることを強調されていました。
その後、牧場の視察を行いましたが広大な敷地に牛が放牧されており、当然日本とは違って温暖な気候と害獣が
居ないため年中、昼夜を問わず放牧されております。
また、この牧場はオーストラリアとしてはシドニー近郊という事で、それほど規模は大きくありませんが大規模
農家では牛に発信機を取り付けコンピューターで管理を行っており、いまさらながら日本との規模の違いに圧倒
をされてきました。
オーストラリア牛の肉は、私たちもよく口にしますが印象として脂身が無く硬いといったイメージです。肉を
主食としており和牛のような脂身のある肉は現地では好まれていません。
しかし、このアンガス地区では和牛に似た肉も生産するために、黒牛のアンガス牛が生産されてきています。
日本への輸出を視野に入れたものとの説明を受けましたが、もともとオーストラリアは放牧中心で脂身のある肉を
生産するのは日本のような穀物での飼育が必要であり、コスト面を含め私たちが心配するような生産規模には
ならないような印象を受けてきました。
総 括
報告者:柴田 巧
改めていうまでもなく、日豪関係の絆は、年々強くなり、今日オーストラリアは、我が国にとって、
アジア太平洋地域でもっとも重要なパートナーの一つであります。
そういう中、平成18年12月に日豪両政府は、包括的な経済連携協定の交渉を開始することを決定し、
お互いのセンシティビティに配慮しながら、交渉が進められています。
一方、我が国では、食品の不正表示事件や中国製ギョウザ事件の発生などを契機に、食の安全、安心に対する
関心が高まっていますが、オーストラリアでは、政府機関、民間、消費者などが官民一体となって、食の安全性
の確保に向けたシステムを構築しています。
こうしたことから、私共農林水産部会では、平成20年2月13日から18日までの日程で、オーストラリア
の農業・農政に関する調査を実施し、本県の農業施策の参考にすることを主な目的として、豪州視察を行いました。
オーストラリアでは、在シドニー総領事館、ニューサウスウェールズ州第一次産業省、自治体国際化協会、
北陸コカコーラ・ボトリングの関連会社所有のワイナリー、そして家畜市場や牧場を訪ね、実状をつぶさに
視察すると同時に、それぞれ関係者と率直で、活発な意見交換をいたしました。
それぞれの視察先での詳しい報告は、各議員のレポートにあるので、ここでは省きますが、現地では天候にも
恵まれ、極めて意義ある視察になりました。
この視察の成果もとに、これからの日本農業そして本県農業・畜産業、食品安全施策のあり方を考えて行きたい
と思います。
最後に、今般の視察でお世話になった方々及び関係機関に対して改めて御礼を申し上げ、部会長報告といたします。