田舎暮らしのポイント 本文へジャンプ



田舎には何百年と続いた地域の伝統、しきたりがあり、それを守って田舎暮らしをしていく必要があります。このページでは、田舎暮らしを行ううえで知っておくべき、一般的な地域のルールを紹介します。

                  


1.地域社会の運営費として集金されるもの
(1)万雑(マンゾウ)
 「万雑」とは、聞きなれない言葉ですが、いわゆる町内会費・自治会費です。その集落において集落共同活動等にかかった経費(草刈や会議費、集会所管理経費など)を住民で負担するもので、負担割合については戸数均等割りや農地面積割り、土地資産割り、その複合パターンなど集落によっていろいろな方法があります。毎年、12月ないしは3月に集落総会が開かれ、その年度の決算と負担割が承認され、集金されます。集落によっては、毎月定額を集金し、年度末に精算するところもあります。また、草刈等の共同作業を欠席した場合は、「万雑」において罰金労務費を集金されることもあります。なお、集落単位の万雑だけでなく、班単位や用水管理等の万雑もあります。


(2)区長会費・自治振興会費
 地区(旧村)ごとに各集落の区長をメンバーとした「区長会」や各集落から選出された役員で構成される「自治振興会」という組織があり、これらの組織が中心となって、各地区の地域活動(行政への請願要望、清掃活動、イベントなど)が行われています。区長会費や自治振興会費はこれらの活動のために1戸当たり均等割で集金されるものです。

(3)地区公民館運営会費
 各地区に公民館があり、その公民館を拠点として住民運動会や文化講座など各種公民館活動が行われており、その運営に対する会費です。

(4)その他の集金
 小中学校のPTA会費(子供の有無にかかわらない)や地区交通安全協会会費などがあります。また、地区単位で行われるイベントの食券購入依頼もあります。なお、最近、集落集会所を新築したような集落では、転入時に戸数割負担金を求められる場合があります。


2.共同活動等の参加
(1)用水の清掃・草刈り
 農家、非農家にかかわらず、農業用水の清掃や草刈りの共同作業があり、作業に参加しなければ、罰金をとられるところが多いようです。おおむね3月・4月頃の用水清掃(土砂上げと補修)と6・7月頃の草刈り作業の年2回あります。

(2)神社の草刈り等
 春祭りと秋祭りのときに、集落の神社の清掃や草刈り作業があります。

(3)イベント・祭礼・獅子舞等の協力
 集落単位のイベントや獅子舞、地区単位のイベントなどの協力依頼があります。地区単位でのおもなイベントは次のとおりです。
  大長谷地区      新そば収穫祭(11月)
  仁歩地区       仁歩ふるさと祭り  (11月)
  野積地区       野積の里清流フェスティバル(5月)
  室牧地区       田楽ごう汁祭り(11月)
  卯花地区       卯花フェスティバル(2月)
  黒瀬谷地区      ごんだ祭り(6月)

(4)役職への就任
 定住してすぐには依頼されませんが、定住期間が長くなれば、いろいろな役職の任務の依頼がありますので、その役職につく必要があります。中山間地域の多くの集落では区長などの役職は世帯順にまわってきますので、戸数の小さな集落では、すぐに役職の順番がまわってくることになります。おもな役職は次のとおりです。
 集落区長、生産組合長、自治振興会役員、班長、交通安全協会、壮青年団、老人会、児童クラブ、土地改良区、農協など

3.その他留意事項
(1)会議にお酒はつきもの
 最近はかなり少なくなりましたが、田舎では、会議や共同作業のあとにお酒は出ることが常識となっています。とくに集落における年度始めの会議(初常会)や年度末の会議(万雑常会)ではほとんどの集落で懇親会があります。飲酒運転は絶対にやめましょう。

(2)冠婚葬祭のお付き合い
 小さな集落ならば、冠婚葬祭のお付き合いはしておいたほうがいいと思います。特に葬祭については、昔から集落全体で協力することが慣例となっている集落が多いようです。

(3)会議の常識
 @会議のときは、新参者、若者は上座に座らないこと。
 A会議に参加するときはきっちりと挨拶すること。(集会所にはいったら、正座して、区長、生産組合長、そのほかの住民と順番に挨拶をすることが慣習になっている集落もあります。)
 B定住した集落に慣れるまでは、会議のときはなるべく模様眺めをしていたほうがいいと思います。また、発言するときは断定的なも  のの言い方はしないほうがいいと思います。田舎社会では、あまりはっきりと意見を言う人は嫌われる傾向が残っています。「ファジー」というか「まあまあそのへんで・・・・」という正しい日本人の習慣で物事を決めていく傾向が残っています。

(4)地域の行事への参加
 集落単位のイベントや地区単位のイベント、住民運動会などに積極的に参加しましょう。ここに顔を出すことによって、住民の皆さんと知り合うチャンスとなります。

(5)村人と仲良くなろう
 村人と仲良くなろうといっても、人間ですから「好き・嫌い」「気が合う・合わない」という感情がありますから、村人すべてと仲良くできるわけがありません。できれば、村の中に一人か二人気の合う人を見つけて、その人と仲良くなように心がけましょう。田舎暮らしにおいて、全く人と隔絶した生活をおくることはできませんので、自然に村の中に溶け込むような努力を絶えず心がけましょう。また、仲良くできる村人がみつからない場合でも、村人すべてから嫌われるような事態に陥ることだけは避けましょう。とにかく、田舎の方は親切な人が多いので、生活全般や農業に関していろいろと教えてくれたり、畑で取れた野菜などを持ってきてくれるなどしますので、村人との付き合いは大切にしましょう。