田舎暮らしの心構え 本文へジャンプ



1.働く場所を見つけよう
 田舎暮らしといえば、農業を生業とした自給自足的な生活をイメージしますが、現実的にはかなり厳しいと思います。よほど高付加価値型農業を行えば、普通の生活ができるかもしれませんが、一般的な農業では、家族すべてが生活できるほどの所得をあげることはできません。そのため、最低限の所得が確保するための働き場所を見つけることが重要です。








2.田舎は忙しい
 田舎暮らしはのんびりとした生活というイメージが強いのですが、現実にはかなり忙しい生活となります。例えば、家の敷地の除草、冬季間の除雪、農業を行った場合の農作業などかなり忙しい日々を送ることになります。まして、平日はどこかに勤務している場合、これらの作業はすべて休日に集中しますので、休日はのんびり寝て暮らしとか家族でどこかに遊びに行くとかは生活の要領を得るまではなかなか難しいと思います。(現実に兼業農家の方は朝の出勤前や勤務を終えた夕方に草刈などの農作業を行っています。)
 また、これらの個人の生活のほかに、集落の共同作業として、用水の清掃や草刈、神社の清掃、祭り、イベントなどがあり、共同作業に多くに時間をとられることになります。

3.田舎の冬は厳しい
 八尾の中山間地域は豪雪地帯であり、雪国に慣れていない人にとっては、大雪の年は大変厳しい生活を強いられます。家の周りの雪かきから屋根雪降ろしなどおおげさに言えば、毎日が雪との格闘です。道路除雪は毎朝、行政が実施していますが、家の車庫から道路に出るまでの道の除雪などは出勤前にする必要がありますし、道路が凍結しているときはスリップしないように注意しながら運転しなければなりません。山間部の過疎化が進行した原因のひとつにこの冬の生活が厳しいということがあげられます。雪のない春から秋はたいへんすばらしいところですが、冬は非常に厳しいところです。したがって、田舎暮らしを考えている人は、この冬の厳しさを十分認識したうえで、定住を決断すべきです。


4.自家用車は必需品

 八尾の中山間地域には食料品を販売する店が少なく、買い物をするには八尾地域の中心部まで行く必要があります。コミュニティバスも運行していますが、1日に2〜3本しか運行していませんので、田舎暮らしを始めるには、大人一人に1台の自家用車が必要です。

5.村の人と仲良くなろう
 ときどき、田舎で煩わしい人間関係を拒んで孤立して生活したいと考えている人がいますが、このような人は田舎では住みづらくなります。田舎は人間関係がもっとも豊富な社会であり、住民の共同生活によって成り立っている社会です。したがって、隣近所の付き合いはもとより、集落内の付き合い、さらに地区全体の付き合いなど幅広い付き合いがありますので、これらの人間関係を拒むことなく、村の人達と仲良くし、積極的に共同活動に参加していくことが田舎暮らしの成功の秘訣です。





6.田舎の価値観を尊重しよう
 田舎には何百年と続いてきた地域の伝統、しきたりがあり、住んでいる住民も都市住民と違った価値観を持って生活しています。もちろん、都市住民の人からみれば煩わしいと思われる点もありますが、「郷に入れば郷に従え」のことわざにもあるように、その地域の伝統やしきたり、価値観を尊重し、それに多少納得がいかない面があったとしても従うことが田舎暮らしを行ううえでの大事なポイントです。

7.田舎暮らしは注目の的
 田舎社会は従来から他の地域から移り住んでくることは皆無に近い状態でした。そのため、「田舎暮らし」として移り住んだ場合、最初のうちは珍しいと思われ、地域の住民からかなり注目されることになります。また、田舎の人達は噂話好きの人が結構多いので、あちらこちらで噂されることになります。田舎の住民にしてみれば、「こんな不便な山奥の村になぜ便利な都会から移り住むのだろう」と不思議がり、田舎暮らしをした人を最初から「変わった人」というイメージでみることが多いようです。そして、おっせかいと思えるほど親切にしてくれる村人もいますし、草刈をしていないとか除雪をしていないとかいろいろ心配してくれる人もいます。したがって、自分の生活がしばらく注目されていることを認識したうえで、村人と協調した生活おくっていくこと大切です。

8.草刈と除雪が基本
 田舎には、草刈と除雪に関しては非常に厳格な考えを持っている人が多いため、田舎暮らしを始めた人が家の周りや農地の草刈を怠り、草ぼうぼうの状態にしているだけで、その人はなかなか村の人から信用されません。まして、冬季間に家の屋根雪降ろしを怠り、家の一部を潰そうものならば、その人は村の人から信用失墜となってしまいます。「夏は雑草、冬は雪との格闘」が田舎暮らしの合言葉です。

9.カメムシ・オロロ・ムカデに慣れよう
 田舎暮らしでもうひとつ注意しておきたいのは、カメムシ・オロロ・ムカデです。カメムシは通常、八尾地域のほうでは「ヘクサンボ」と呼ばれており、10月〜11月頃の暖かい日に山から家の中に大量に入り込み、一冬、家の隙間で越冬し、4月頃に家から出ていきます。カメムシは人間に対して毒は持っていないのですが、人がさわると1〜2時間とれないほどの悪臭を発します。1〜2匹程度ならどれだけでも対応できるのですが、春先などは大量に窓ガラスに張りついていますので、なるべく触らないように注意しましょう。捕まえるときは、ガムテープで貼り付ける方法が一番効率的です。

 次に気をつけたいには、オロロ(アブの1種)です。オロロは主に水のきれいな川の上流部に生息しており、8月上旬に大量に発生します。オロロは人間にとりついたらすぐに血を吸いますので、とりついたらすぐにたたかなければなりません。オロロに刺されるとしばらくは痛くて痒い状態となります。対応策としては、オロロは朝方と夕方に大量に出てきますので、その時間帯はあまり外で仕事をしないこと、また、水辺に大量に発生しますので、川に近づかないことがポイントです。

 最後にムカデです。ムカデは主に6月頃と10月頃に家の中を徘徊します。ムカデは強い毒を持っていますので、小さな子供は咬まれないように十分注意する必要があります。大人でもムカデに咬まれると2〜3日、咬まれた箇所が痛くて腫れます。ムカデはカメムシと違って家の中で遭遇することはそれほど多くはありません。日中ならば、触りさえしなければ咬まれることはありませんが、気をつけたいのは夜中に眠っているときです。眠っているときに、自分の周りを通り過ぎり、知らずに触ったときに刺されることが多いようです。対応策としては、とにかく、家の中で見つけたときは、かならず捕まえて殺すこと。捕まえる方法としては、ガムテープで貼り付ける方法が一番です。それとムカデは湿気を好みますので、できるだけ家の中や周りの湿気対策に気をつけることが大切です。