御神酒について
 御神酒とは本来神様にお供えしたお下がりのお酒を指します。神様に物をお供えしてお参りをすると、神様の霊力がそのお供え物に宿ります。お酒をお供えしてお祭りをすれば、霊力の宿ったお酒、すなわち御神酒になります。これを後から頂けば、神様の霊力が直接体内に入ることになるのです。このことは神道の祭礼に於いて、非常に重要なことなのです。
 さて、それでは御神酒とすべくお供えするお酒はどのようなものが良いのでしょうか。実はこの質問は日頃からよくいただくもののひとつなのです。「日本酒ならば何でも良いのですか?」「1升ではダメですか?2升必要なのですか?4合ビンやパックのものは?」「ビールじゃいけませんか?」などなど。しかし、先に述べたように、お酒であれば基本的になんでも構いません。量も同様です。大切なことは、お参りをなさる方が神様に召し上がって頂きたいと思うお酒であるという点です。自分が普段から美味しいと思って飲んでいるもの、あるいは飲みたいと思うもの、下戸の方でしたら「純米酒」(*注)と書かれた日本酒を選ばれるとよいでしょう。くれぐれも「銘柄名が縁起良さそうなので」という理由でお選びにならないでください。心を込めて選ぶことこそが重要なのです。
(注)「純米酒」・・・米と水だけから作られている日本酒に書かれています。つまり、昔ながらの方法で混ぜ物を一切せずに作られた真面目なお酒なのです。ちなみに伊勢の神宮でお供えされているお酒も純米酒です。