神棚の祀り方
 神棚のあるご家庭は多いことと思います。神棚は天の気と地の気を集めて家の中に満たしてくれます。もちろんこれは神棚のご神体であるお神札(ふだ)を通して得られる神様の恵みによるものです。ですから、神棚の場所の垂直方向に気を集めるための障害があってはいけません。神棚の上下に水や火の気があってはならないと言われるのはこのためです。また、神棚の上下を人が激しく往来することも気の乱れにつながるため厳禁です。集合住宅などで上下の清浄を確保不能な場合、天井に「雲」という文字を貼ったりするのは、天と神棚を直接結ぶための一法といえるでしょう。また、神棚はなるべく家の北側から中心近くに南か東向きに設置し、清浄で暗くならないようにします。もちろん、人の目線より上になるようにします。そしてなるべく家族が集う場所であることです。
 次にお祀りの仕方ですが、朝夕2回の参拝、一日一度のお供え物の交換が基本になります。忙しい現代人にとって、これはなかなか大変なことですが、「これが基本」という意識を持つことが大切かと思います。また、お供え物は、ご飯(米)・酒・塩・水、それと榊が基本ですが、水をこまめに交換できれば、あとは常識の範囲で交換すればよいでしょう。重苦しく考えず、できることを心を込めて行いましょう。
 また、お供え物(神饌)の位置ですが、必ずご飯(米)を中央に、水は左端になるようにお供えします(写真参照)。三方があれば、これにご飯(米)を乗せます。水器に蓋があれば、お供えしてから必ず蓋を取って横にうつ伏せにして置いておきます。神棚をお祀りしたポスターなどが見受けられますが、神饌の位置等が間違っているものが多いので注意してください。
 さてお神札ですが、お正月前にお受けになられ、年頭に新しい物と交換します。このとき、お神札の表面に半透明の薄紙が巻いてあることが多いと思いますが、これは神棚に入れる直前に剥ぎ取って、神様のお名前がよく見えるようにしてから収めた方がよいでしょう。そして扉は開いたままにしておいた方がよいでしょう。閉じておくのであれば、前に鏡を置いておきましょう。
 以上のことを踏まえて神棚をお祀りされれば、より多くの恵みをいただけることでしょう。