神社用語解説
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平成15年1月25日更新
あん 「やつはし」と呼ばれることもある幅の狭いテーブル。左右合計8本の足がついているように見えることからこの名がついたとみられるが、正式名称は「案」である。神饌や玉串などを置くために用いられることが多いが、神前結婚式などでは参列者の前に縁起物や土器(かわらけ)を乗せるために置かれているはずである。大小高低様々な種類があり、用途もいろいろである。
円座 えんざ 藁と藺草で編んだ厚手の円形の座布団。神職や参拝者が座るためのもの。
大麻 おおぬさ 大ぶりの榊の枝に紙垂や布と麻をくくりつけたお祓いの道具。棒にたくさんの紙垂と麻ひもをつけたものもよく見られる写真を表示。通常、これを左、右、左と三回振ってお祓いをする。
神楽 かぐら 神様にお聞かせする音楽・踊りなどを指す。様をしませるものの意。一般的には雅楽や大和舞(やまとまい)などを奉納するが、理屈では演歌や流行歌でもその内容に問題がなければ差し支えない。実際にジャズやロックが奉納されることもある。
土器 かわらけ 素焼きの焼き物の総称であるが、主として神酒を注いで飲むための小さな皿を指して言うことが多い。伊勢の神宮では、現在も神様のお食事は土器に盛りつけている。土器でいただく御神酒はまた格別であるが、酒が染み込むため、扱いは面倒である。
胡将 こしょう 主に拝殿で用いる折り畳み式の簡易椅子。将椅(しょうぎ)ともいう。
御神体 ごしんたい 神様の依代(よりしろ)となるもの。「よりしろ」とは「目印」のようなもので、決してそれそのものが神様ではない。物理的実体の無い存在である神様に「そこに居ていただく」ための座席のようなものと考えてもよい。極言すれば御神体は何でもよいのである。火事で神殿が焼けても、代わりの御神体を設ければ何ら問題ない。「神道は偶像崇拝だ」などと言われることがあるが、神道に「偶像」は存在しないのである。
こも 藁(わら)で荒く編んだ筵(むしろ)。地面や床とお供え物などを隔離するためのもので、通常はの下に敷く。
斉主 さいしゅ そのお祭りを斉行している主たる(祝詞を奏上する)神職。それ以外の神職は斉員(さいいん)と呼ぶ。
さかき 聖域との「境(さかい)に植える木」で「さかき」と呼ぶとか、常緑のため「栄える木」が縮まって「さかき」と言うとかの説あり。個人的に後者の方が説得力を感じる。一般に宅地内には植えるものではないと言われているようだが、一本だけ隅の方に植えたりするくらいは「障り無し」。
三方 さんぼう 神様に神饌をお供えするときなどに使用する食器の一種。3方向に象眼のある台の上に隅切りの折敷(すみきりのおしき)を乗せたもの。台と折敷は本来バラバラなのだが、取り扱い易いようにくっつけてあることがある。あくまでも食器であるため、食べ物以外は乗せない。また、発音は「サンボウ」であり「サンポウ」ではない。寺では「三宝」と書くことが多いようだが、これは仏教の三宝(サンポウ)にあてたもののようである。写真を表示
式内社 しきないしゃ 西暦924年に発布された延喜式にその名が記述されている神社。全部で2861社ある。これに名があるということは、その当時すでに国家によってその存在を認められていたことを意味する。
紙垂 しで 注連縄(しめなわ)や玉串、竹などにつける和紙でできた飾りのようなもの。総称として御幣(ごへい)と呼ぶこともある。着物や人などを象ったものらしい。
しゃく 檜や一位、桐、象牙などで作られた板。旧一万円札の聖徳太子が右手に持っていたヤツ。今では「おじゃる丸」君が閻魔様から取ってきたヤツと言った方が理解が早いかも。男性神職は祭式の時、必ず持っている。身体が真っ直ぐに姿勢良くなっていることを表すためのものと言われているが、諸説ある。ここでは書けないが、他にもいろいろと用途あり(^^!)。
社家 しゃけ 神職を務める家柄。
修祓 しゅばつ お祭りに先立って、祝詞を奏上し、祓戸大神(はらえどのおおかみ)に供え物や身体を祓い清めていただく式。
神饌 しんせん 神様へのお供え物。本来はそのまま食べていただける食物や飲み物(お酒など)を指すが、「その食べ物をこれで買ってください」という意味でお金を神饌としてお供えすることも多い(神饌料)。
神殿 しんでん 御神体の安置されている社。普通はひとつの建物として独立している。
玉垣 たまがき 一般の神社では、神社境内と外界との間に設けられた垣と考えてよいようである。鳥居の両脇から伸びていることが多く、材質は御影石など。奉納者の氏名が彫ってあることが多い。伊勢の神宮などでは材質は檜で、神職と共でなければその内側に入ることができない。
玉串 たまぐし 榊の枝に紙垂(しで)を結びつけたもの。神様の御霊と参拝者の魂を繋ぐものという意味で玉(魂)串(ものをつなぐ)と呼ぶ。元来はお盆に乗せた錦を象ったものであるらしい。
手水舎 てみずしゃ 境内にある手水を取るための場所で、屋根のあるものをこう呼ぶ(ないものは「手水場」)。必ず四方に注連縄が張られており、神聖な場所であることを示している。手水舎(場)の前では、拝殿に入るときと同様、必ず一礼をしてから手水を取る。写真を表示
灯籠 とうろう 神様に「明かり」をお供えするためのものを特に御神灯と呼ぶ。石灯籠・吊り灯籠・外陣灯籠などの種類があり、氏子崇敬者の寄進で設けられることが多い。写真を表示
拝殿 はいでん 神殿に向かって参拝者が拝礼する屋根付きの場所。
拝礼 はいれい 心を込めた深いお辞儀。上半身が床と水平になるまで深く頭を下げる。立って拝礼する場合は、腰の角度が約90度になるまで頭を下げる。
ひざつき 神職や参拝者が座るための正方形の二辺のみ縁付きの茣蓙。表裏がなくリバーシブルなため、片方が汚れてきたらひっくり返して使えるという優れもの(あまりボロボロだとマズいですが)。
幣殿 へいでん 神饌などをお供えしてある場所。斉主が神前で拝礼するときはここで。通常、一般参拝者は入れない。
幣帛 へいはく 元々は神様にお供えした着物。通常は大きな両垂れの紙垂のことを指すことが多いようである。玉串に付いた紙垂も幣帛の一種で、神前に供える金銭に「玉串料」あるいは「幣帛料」と書くのはこのためである。
神酒 みき・しんしゅ 御酒(みき)とも書く。神前にお供えしたお酒のこと。一般的には日本酒が供えられることが多いが、拘る必要はない。麦酒やウイスキーなどは五穀のひとつである麦が原料であるし、それ以外の焼酎、ワインなどでも何ら問題ない。自分が飲んで美味しいと思うお酒をお供えする心が重要。でもいちおう、米から作られる日本酒の方が格が上ということで。
瑞垣 みずがき 神社境内の中にある御神殿の周囲に設けられた垣。聖域中の聖域を取り囲んでおり、通常、この垣より中に入ることができるのは神職だけである。
禊ぎ みそぎ 身と心の不浄を祓い去るため、主として水を用いて全身を清めることをいう。「身削ぎ」或いは「水濯ぎ」が語源であるという説があるが、決定的な説得力に欠けるのが現状である。ただ、穢れを祓うための方法のひとつであることは確か。邪念を払い、霊的・精神的に「生まれ変わる」のである。
人形 ひとがた 形代(かたしろ)、雛形(ひながた)、撫形(なでもの)などともいう。和紙を10〜15cmくらいの人の形に似せて細工切りしたものが主に使用される。大祓(おおはらえ)などで人を祓う際に各自に渡し、身体をそれで拭ったのちに息を吹きかけ、川に流すなどする。生きた人間の代わりに罪穢(つみけがれ)を背負わせるわけである。また、地鎮祭などでは鎮物(しずめもの)のひとつとしても使用される。
ゆう 30°及び45°のお辞儀のこと。30°のものを「小揖(しょうゆう)」、45°のものを「深揖(しんゆう)」と呼ぶ。ちなみに神職は15°、30°、45°、60°、90°のお辞儀を使い分けている。