Jazz Workshop with OWARA Children
04.06.15  八尾小学校体育館

 八尾でジャズライブやってみませんか? 4年前、この話を持ちかけられた丁度この時、不肖私はガラにもなく伝統ある八尾小学校のPTA会長をやっていました。この町には確固たる伝統行事「おわら風の盆」があります。次代を担う子ども達に是非この素晴らしい伝統芸能を引き継いで欲しいと願いながらも、無限の可能性を持つ子ども達には、いろんなジャンルの芸能、音楽に触れてもらいたい、、その上で「おわら」の良さを認識し、大切に継承して欲しい。。いかに素晴らしい文化とは云え、「おわら」に縛りつけるのは良くない。むしろ、いろんなものに触れさせることが子ども達には必要だと感じていました。
 これは大人の私達にも言えること。たまたま巡り合った♪ジャズ♪は自由で、無限の可能性を持つ音楽。その演奏者として日本のトップレベルのメンバーで構成されたthe MOSTのライブは多くの大人を感動させてくれました。その感動が次のライブの企画の原動力となって、今まで続けてこられたのだと思います。

 ジャズは大人だけの音楽じゃないはず、、4年目を迎えた今回、予てからやってみたかった企画が多くの皆さんの協力によって実現しました。「今度のライブの前にジャズ初体験の小学生相手のジャズ教室をやってもらいたいのですが、、」不躾な願いを多田さん、越智さんが二つ返事で引き受けてくれました。「是非やりましょう、大賛成です!!」と力強い言葉と伴に。。
 学校長も大乗り気で「丁度金管クラブの楽器がリニューアルしたのでそのお披露目も兼ねて、、」ということに。。学校等への出前演奏会については町の事業とすることで県から補助金が出るらしい、、との情報をキャッチし、総務企画課へ。。「良い話ですね、やりましょう!!」

 準備は整った。。あとはどんなことになるか、当日の展開を期待8割、不安2割みたいな気持ちで待つのみ。前夜の打ち合わせで校歌を歌いました。それを聞いた多田さん、「この校歌は、ジャズだよ〜!!」学校のこと、子ども達のこと、ジャズのこと、おわらのこと、、たくさん話をしました。

 当日、リハーサル中に子ども達が書いた詩に曲をつける。。あっという間に主旋律が出来、演奏が始まる、、「まぁ、こんな感じかいな!?」すごいなぁ、さすがです。
 
 ジャズ教室のオープニングは金管クラブのウェルカムステージ「校歌」「世界中の子ども達」校長先生もトランペットに挑戦なさってました。

 いよいよ多田先生の登場です。石井先生とのデュオで「カツオのブルース♪」子ども達から「あっ、サザエさんだぁ!!」の声が(笑)。。そして「Evreything」女の子が口ずさんでる。。。
 歌のお姉さん、越智先生と河野先生登場、それから金管クラブの子ども達の代表者による「聖者の行進」。多田先生指導のもと、アドリブに挑戦する4人の児童、、上手いっ!!♪聴いている350人は越智先生、河野先生と手拍子。。リズムが変わってもちゃあんとついていけちゃうんですねー、越智先生と子ども達の「コールアンドレスポンス」♪♪すごかったなぁ〜〜、オチジュンも吃驚!! タダセイ唖然!! ジャズメンをうならせる八尾の子ども達、、どうでしょ!!
 先生方、汗びっしょり。。子ども達は興奮状態。。ここで、ちょっと趣向を変えて、子ども達が作った詩に曲をつけちゃおうコーナー♪、、まずはオチジュン作曲「雨」石井先生の繊細なピアノが雨を思わせる前奏を奏で、しっとりと歌いあげる。。聴いている子ども達は半ば驚きを隠せないみたいでした。引きつづきMki先生作曲「ひまわり」アップテンポな明るい曲に思わず手拍子がでていました♪♪
 この時の越智さんの衣装がひまわり模様だったこともあり、子ども達は越智さんを「ひまわりのおばちゃん」河野さんを「歌のお姉さん」と言い分けていたそうです(笑)。

 そして、次は「ドナドナ♪」Mkiさんが正調??で歌い、オチジュンがジャズバージョンで、、。同じ歌がこんなになるんだなぁ〜ってことわかったみたいでした。最後はみんなで「サイド バイ サイド」の大合唱で終ったけど、、子ども達のパワーは凄かったです。
 子ども達と一緒に楽しんだ一時間あまりでしたが、とても元気になりました。。子どもってすごい!! ジャズの先生万歳!!!

 子ども達の感想文を紹介します。。。

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・サイバイサイのおばさんといっしょに行なったことが心に残りました(3年T.I)
・一番心にのこったことは、おばさんの「パパー」や「ララー」の曲みたいな音です(3年K.M)
・女の人たちはとてもきれいな声だったので、わたしもあんなきれいな声になりたいと思いました。たださんは、楽器をひくのがすごく上手で気持ちがとてもいかったです。
ピアニストの人はきれいな、聞いたこともない音を出していました(3年H.K)
・心にのこったことは、ラッパみたいのをふいていた人の顔が赤くなっていたことです。それを見て頑張ってふいていると思いました(3年A.K)
・ピアノのおす音がはやくてハエがとぶはやさみたいでした(3年Y.K)
・ピアノの人がピアノをひいてたとき、見なくてもひけたので、練習をいっぱいしていたのかなぁと思いました。(3年R.Y)
・きづいたことは、どうしてピアノの人は無口なのかなぁと思いました。わたしはピアノが大好きでひくのもきくのも好きでピアノをひくとき、男の人は「みんなが聞いてうれしく、楽しくなりますように!!」と心をこめていると思います。(3年N.S)
・トランペットをピアノのとこにやっていたのはどうしてかな、と思いました(3年M.K)
・ジャズはとても自由な音楽なんだと思いました。ふつうの歌がジャズになると少しかっこよくなるような気がしました(5年A.T)
・私にとってジャズはみんなの心をいやしてくれる物だと思いました。ジャズはムカムカしている心をいやしてくれると感じました。(5年N.M)
・ジャズの人はみんな楽しい人ばっかりなんだと思いました。こんな人達だったら、暗いところも明るくなるだろうと思いました。また聴きたいです(5年Y.T)
・ジャズという言葉は大人の曲と聞いたので、とっても不思議でした。今日みんながリズムにのっていたのでとても楽しかったです。今日はぼくも、みんなも楽しめたので、とっても楽しかったです(5年T.T)
・おち先生とかわの先生とやった先生達が言うまねをするのがおもしろかったです。ぼくは最初とてもかんたんな言葉だったけど、途中からぼくはもうついていけないなぁと思った。けど先生の声を聞いていたら初めての言葉にもついていけておどろきました(5年Y.N)
・♪サイバイサイ♪と言うところや声のものまねをするのがとても楽しかったです。あと、ドナドナの歌でふつうにやるとかなしい感じがするのにジャズになると感じがとてもちがうので音楽ってすごいなぁと思いました。(5年A.Y)
・サックスの音がおもしろくて、トランペットとはぜんぜんちがった。ピアノがあんな音を出すとは知らなかったからびっくりした(5年M.A)
・じゅんこ先生がジャズの歌の練習みたいなことをやってくれたのが一番心に残りました。少しむずかしいところもあったけど楽しかった。詩をジャズふうにするなんてすごいと思いました(5年S.H)
・ジャズにすると音楽がとても楽しく聞こえる(5年A.N)
・6年生が書いた詩をジャズにしたのですごいなぁと思いました。「雨」と「ひまわり」という詩でした。「雨」は本当に雨が降ってきそうな音楽で、「ひまわり」はとても明るい音楽でした。ふつうの音楽もいいけどジャズもよかったです。もう一回聞きたいです(5年M.T)
・全校で歌を歌えたのがよかったです。少し気をつけたのは、となりの人のちがう音程につられないようにしたことです。大変だったことはとなりの人たちの音に負けてとなりの音しか聞こえなかったことです。つられながらでも歌えてよかったです(5年K.K)
・気づいたことは、ピアノの人がしゃべらなかったこと(6年M.N)
・ピアニストの石井さんの演奏が美しい音色で多田さんのサックスと重なり合うことでサザエさんが楽しく聞こえたり、悲しく聞こえたりして・・音だけで感情が出るなんてすごいと思いました。(6年K.N)
・ドナドナは悲しい歌の雰囲気がよりいっそう悲しく聞こえた。管楽器の音が大人の通う店(オカマバー)で流れていそうな音に聞こえた。よく、ケーブルテレビでやってるのを聞いているとぼくの気に入った音ではないのであまり期待してなかったが、生の本物を聞くと気持ちよくなり、ねむくなるほどよかった。(6年K.K)
・楽器の音がピアノの中でひびいてたのがすごかった。ジャズはよくわからないけれど、とてもおもしろかった。あと、詩を歌にして歌っておられた時、すごいと思った。(6年Y.T)
・歌う人をもりあげるなんて、すごい(6年S.N)
・ぼくは初めてジャズを聴き、こう思いました。ジャズの音楽は自由でいろんな音楽を作れます。ジャズはすごいと思います。わけは、自由でいろんな音を作れ、大人の人たちを夢中にさせるからです。(6年J.W)
私はサックスをふいていた人がすごいと思いました。わけは、ふいている時息が長く続いていたし、演奏中に考えているからです。詩が歌になっていたし、明るい歌と、暗い歌によって声が変わってすごいと思いました。(6年S.H)
・最後にみんなでやった「サイド バイ サイド」が体育館にいるみんなが一緒になっていたような気がして一番心に残った。(6年S.T)
・詩を歌にした時、言葉のバックに音があり、音のおかげで詩がよりきれいに、楽しく、悲しく聞こえて音の中へ入っていくようだった。(ひまわりのおばさんがおもしろかった)(6年Y.T)
・詞を作って曲をつけてもらったけど、とても私が思っていたのと近くてびっくりしました。でも少しちがうところもあって楽しかったです。ジャズのCDとかあれば聞いてみたいです。(6年Y.H)
・最後に本当のジャズを歌っておもしろかったから、また歌ってみたいです(6年M.T)
・ピアノをひいている人の手さばきがすごかったです。ただ指でひいてるんじゃなくて、体も動かしながらひいていたのがわかりました。楽譜を見ないでひいていたので、すごいと思いました。多田誠司さんがサックスで自分の頭の中で考えるのが、すごいと思いました。ぼくもやりたいと思いました。(6年Y.T)
・また来てほしいなぁと思った(大きな声で歌えるから)ジャズはふつうの音楽とぜんぜんちがってアドリブをいれたり、かってに明るい歌を暗い歌に変えることが出来るのですごいと思った(6年S.Y)
・詩をリズムに合わせて歌っていて、みんなのリズムがひとつになって楽しそうでした。私も詩を作って歌にしてみたいです。「音楽とは音を楽しむ」と言われたので楽しく歌ったり、聞いたりしました(6年M.N)
・私は「聖者の行進」をふいてと言われてジャズの人とふいたんだけど、ぜんぜんわかりませんでした(どの音を出せばいいのか)〜で、これで終わりと思ったのにジャズの人と一緒にひとりづつのがまだあって、多田さんが出された音を私も出して、最初は「まぁ、カンだなぁ〜」って思っていたけどどんどんむずかしくなりました。多田さんと一緒にふけたのが一番心に残りました(うれしかった) 6年N.K
      越智順子さんのホームページから

6月19日(土)
昨日大阪に帰ってきました。今回は長い旅でしたなぁ。
おまけに殆どが企画もの・・・タンゴの新曲有り、CHAKAさんとの新曲有り、「おわら」有り、なかなかに充実した日々でした。
色んな所でたくさんの方に出会いました。ツアーの喜びは出会いです。
音楽上での「音の出会い」も勿論あります。「食べ物の出会い」もあります。
でもやっぱり一番は「人との出会い」、これは感動的です。
今回のツアー中、本当にたくさんの方に出会いました。
家に帰ったような懐かしい顔もあれば、初めての顔もある。

その中で特筆すべきは「八尾小学校の子供たち」八尾でのThe MOSTとの共演の日、昼間に八尾小学校での「音楽交流会」が企画されました。
私自身、学校での音楽鑑賞会は数知れずやってきましたが、小学校は殆ど経験なし、ましてやJAZZ・・・大丈夫だろうか、と少々心配していました。
しかし! なんのっ!子供は凄い!どんどん吸収していくのです!あれこそが「柔軟」と呼ばれるもの、人間というものは、生まれながらにあんな力を持っているのです。ああぁ〜こんな言葉では分からないでしょうね・・文章力がない

吹奏楽をやってる小学生とSAXの多田さんが「聖者の行進」をアドリブしました。今まで習った音しか吹いたことのない小学生が、その場でどんどん吸収してアドリブを展開されていくのです。つまり、知識ではなく感覚で反応していくのです。
同じ曲の中で「コール&レスポンス」をやってみました。私が出した音をどんどん吸収していくのです。たぶん今まで出した事のないであろう音階にも、なんのてらいもなく反応していくのです。本気になってしまいました・・・ははは、、、後半は私もタジタジ・・・一緒に歌っている時の、その顔の何と美しい事、希望のある顔、求める顔。。

【子供をなめちゃ〜いけません】

「教育」というものを考えさせられました。考えずに「まず、やる」という事、人間は考える動物、成長するにつれて考える・・・
周りの中で自分はどういう位置にいるのか、どうすれば非難されずに済むのか、どうすれば自分を良く見てもらえるのか。。
ある意味これも大事な事。
でも、そこに活き活きとした自分はいるだろうか?、
あの子供たちのような「何かを求める目」はあるだろうか?
「求める目」を持ったまま成長するのは無理なんだろうか?、
いやっ!できるはずや!絶対っ!
「教育」というのは、そうあるべきなんじゃないかなぁ、、
人生の先輩である大人は、それを子供たちに伝えるべきなんじゃないかなぁ。。
「自分が楽しいと思うものを求めてごらん」と、
そのためには色んなもの感じられる環境を作らないといけない。

頭で考えずに感じられる環境・・・大事やなぁ。。。
本当に子供たちは凄かったんで
。。