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婦負の開祖神

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井戸埋立清祓 - Prayer when bury a well

井戸埋立清祓(いどうめたてきよはらい)

 井戸を埋めるときに、井戸の神(御井大神)を始め関わりある神々にこれまでの水の恵みに対する感謝を申し上げるとともに、埋める理由を申し上げ、祟ることなく元の御座にお帰りいただくようお願いを申し上げます。基本的に神棚の前で行います。神棚が無い場合は井戸の前に祭壇を立てて行います。

 すでに埋めてしまった後で、井戸の(さわ)りが疑われる場合は事前にご相談においでください。障りが出ている場合は清祓ではなくお詫びを申し上げるお祭りをして障りを収めていただきます。

井戸の埋め方について

 井戸を埋める場合はできるだけ井戸を掘る前の状態に戻すことが望ましいとお考えください。井筒がある場合も地面に埋まっている部分も含めてすべて撤去してから埋め戻します。埋める土石は新しい物を使用し、決して廃材を使ってはいけません。砂・砕石・砂利などもきれいな物を選ぶようにします。そして、地下水脈の流れを遮らないよう、最初に大粒の石で埋め、順に目の細かい砂利・砕石、砂、土で埋めていきます。
 神様にもお帰りいただき、土地も井戸を掘る前の状態に戻せたのであれば、それ以上行うべきことはありません。全く普通の土地としてご使用なさって構いません。また、そのための清祓です。宮司の家でもこのようにして清祓の後に井戸を埋めましたが、十年以上経過した現在も何の障りもありませんのでご安心ください。

井戸の「息抜き」について

 井戸の息抜きについてはいろいろと言われているようです。至る所で持論を展開される方々もいらっしゃるようですが、ここでは神職としての経験と見解でお話しをいたします。
 結論から申し上げると、井戸の息抜きをされる必要はありません。「ガスを抜くため」「そこに井戸があったことを示すため」「神様が息をするため」などと言われているようですが、よく調べて考えてみるとどれも説得力に欠けます。昔は竹の節を抜いた物を立てていたようですので、すぐに朽ちて通気性は失われていたでしょう。それでも立てることに意味があったわけです。
 私は井戸の息抜きは井戸の神様に対する人間の心遣いの表れだと考えています。物理的に意味のあるものではないということです。お祭りをして井戸の神様にお帰りいただくようお願いしても本当に帰られたかどうか分かる人は稀でしょう。お帰りになったと信じて井戸を埋めても、万が一にもまだおいでであれば大変です。そのための息抜きだと考えています。
 しっかりとお祭りをして神様にお帰りいただければ安心して埋めることができますので、その場合の息抜きは不要ということです。

井戸の障りの話

 私(宮司)が子供の頃、母が重い慢性病を患いました。やがて医師にも見放される状態になり、余命宣告を受けるまでになりました。病気の原因が不明だったため、藁にもすがる思いで祖母が障りを見る方に相談に行きました。そこで告げられたのが『井戸の障り』でした。「古井戸が床下にあるはず。その井戸が障っている。きちんと収めなさい。」と言われ、閉所恐怖症の父が応急処置として縁の下に入って古井戸のあった場所に息抜きのパイプを差し立てました。平行して祖母が井戸の神様にお詫びするため35日間のお参りを続けました。結果、母の病気はそれを境に快復に転じ、まさに奇跡的に全快してしまったのです。

 この話はすべて現実に起こったことであり、一切の脚色はありません。また、これはほんの一例に過ぎず、井戸にまつわる不思議な話は枚挙に暇がありません。それゆえ、多くの方々が井戸を慎重に扱われるのでしょう。井戸の神様を信じない方々も大勢いらっしゃいますが、現実に直面されると愕然とされます。ここで理屈は述べませんが、井戸は感謝して大切に使わせて頂き、使い終えたら一層の感謝を心に元の姿に戻すのがマナーです。井戸の神様がお苦しみにならないよう。


 時期:  井戸を埋める前
 ご用意いただくもの:  神饌(米・酒・塩・水)
 服装:  普段着で構いません
 お教えいただくこと:  戸主の氏名
 その他の留意点:  井戸に蓋があればそれを外しておいてください。
 神棚の前に祭壇を立てますので、約2m四方以上の空間を確保しておいてください。神棚がない場合は井戸の前に同様の場所を確保しておいてください。
 お渡しするもの:  特にありません
 所要時間:  約20分 
 初穂料の目安: 三万円以上
 補足:  ※井戸の周囲に切麻と少量の酒と塩を撒きます。

 ご用意いただく神饌の内容
 米  白米5合 程度、無洗米でも問題ありません、必ず新米をお供えします
 酒  日本酒4合 〜 1升
 塩  粗塩20g 〜 50g程度、「食塩」はできるだけ避けます
 水  水道水で構いません、ミネラルウォーターや天然水でも問題ありません
 その他  自家栽培の野菜などがあればお供えになると良いでしょう

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