聖夜(第2幕)
(あっ)
バーニィは、頭に冷たいものを感じたので空を見上げた。空から白く冷たい雪が降り始めてきた。
(今日はホワイト・クリスマスかぁ・・・。ラッキーは続くものだな)
先程まで、「傘を使わないでラッキー」と思っていたのが、「ホワイト・クリスマスでラッキー」
と、バーニィは思った。
事実、これだけの積雪は久しぶりだし、ましてホワイト・クリスマスともなると、十数年ぶりの出来事である。
(でも、本当にラッキーなのは『恋人同士』なんだよなぁ・・・)
言ってて悲しくなったバーニィは、苦笑いをした。
(今年も一人で、クリスマスに乾杯!)
頭の中で勢いよく言ったはいいが、その反動でバーニィはさらに悲しく空しくなった。首と肩を下げ、背中に‘ドヨーン’とした黒い『何か』を背負った様な感じになった。そのせいか(?)足取りも小さく、ゆっくりになってしまった。
(!!)
目の前で、何か鈍い音がしたので、目線を戻した。
(な、な、なぁ〜!?)
目を丸くして、バーニィは驚いた。それもそのはずである。道に人が倒れていたのである。
(少し前の時代ならいざしらず、この平和の時代に生き倒れ・・・?)
バーニィが思うのも無理はない。少し前のティターンズが横行していた動乱の時代では、そのように生き倒れる人が確かにいた。しかし、ティターンズと旧体制が崩壊した現在、生活も豊かになり、そのような人がいるとは考えにくいのである・・・。
だからあたりは一瞬で、人垣ができた。しかし人垣の中には、帰り道を急ぐ者、見て見ぬふりをする者もいた。
周りは‘ガヤ ガヤ’としか言わず、誰もその「人」に近寄ろうとはしなかった。唯一、バーニィだけが近寄った。
「もしもし、大丈夫ですか?」
バーニィはしゃがみこむと、その人の体をさすってみた。
「ん・・・」
倒れたその人は、小さく声をだした。
「意識はあるようだ・・・。と、とりあえず救急車を・・・」
その声が聞こえたのか、倒れた人はバーニィの服の袖を引っ張った。
「お、お願い・・・。病院はやめて・・・」
それだけを言うと、倒れた人は気を失った。
(‡∽#п〜)
声には出さなかったが、驚きは態度で目に見えていた。この寒空の中なのに、バーニィの額から汗が流れ出てきている。
(病院はやめてって・・・。何か病院がマズイのか・・・?それに声の感じからどう聞いても女の人だよな・・・)
二つの衝撃で出てきた汗を、服の袖で拭いバーニィは考えた。この状況で、自分はどうすればよいかを・・・。
(病院がダメで、彼女を保護できる場所は・・・?)
考えた末、バーニィは一つの場所を思い出した。‘ハッ’と気が付いたのは、周りの人垣から見ればそれは一瞬の事だったが、バーニィにとっては、ひどく長い時間掛かったように感じた。
バーニィは彼女を起こすと、なんとか背負おうとした。しかし、彼女が持っているカバンが、邪魔してなかなか上手く背負えない。
(カバンは僕が持った方がいいな・・・)
彼女の手からカバンを取ると、バーニィはまず彼女を背負った。次に腰を落とし下に置いたカバンを拾った。カバン自体は、たいして重くもなく背負ったままの状態でも苦にならなかった。
(中・・・何が入ってるのだろう。って、それどころじゃないっ!)
‘よしっ’と声に出さない気合を入れると、先ほどに比べ薄くなった人垣を抜け、バーニィは来た道を引き返した。
(転ぶなよ〜自分)
駆け出している自分に、そう言い聞かせながら・・・。
―あとがき―
クリスマス用にアップしたのですが、間に合いましたでしょうか?(笑)
現在、クリスマスまで約1ヶ月ぐらいです。
そして、結論から申しますと、間に合わないかも・・・?
しかし、クリスマスまで書き上げれば、問題ナッシングです。(爆)
やりまっせ〜。頑張れ自分!ファイトだ私!
今回から、原作のパクリのパクリです。(笑)
いつも通り、強引に話を進めて、終わらせることになるでしょう。
サラサラと文章が書ければ、いいのですが上手くいかないもんです。
またまたいろいろと、ツッコミどころがあると思いますが、気になさらずに。(爆)
私も「そりゃ、無理だろ。物理的に」ってツッコミながら書いていますから。(核爆)
一番話が長くなりそうな気が・・・。次に移りましょう。(笑)
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