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ウイペンアッセンブリー 交換 その1 |
ウイペンアッセンブリー 交換 その2 |
ウイペンアッセンブリー 交換 仕上がり |
レギュレチングボタン 取替え |
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パンチングクロス交換 | バランスピン交換 |
次に、その弦を叩くハンマーヘッドですが、ハンマーはシデ材やマホガニーなどで出来たハンマーウッドを純羊毛のフェルトで巻いたものです。ハンマーフェルトは経年変化や磨耗によって音質が落ちてきます。寿命の目安としては、専門的なレッスンに一日平均5時間位使用されるピアノで、ハンマーフェルトは3年半で磨耗します。でも普通は5時間も使われるピアノは少ないので、専門的に使っても、この2倍の7年位の期間は持ちます。この他、一般家庭やあまり使用されていないピアノになると、磨耗と言うよりもフェルトの経年変化からくる音質の劣化の方が多く、磨耗との相乗効果を考えても又この2倍、つまり14年から15年位は性能を維持できるのではないでしょうか。
この頃にはグランドピアノの場合、ハンマーシャンクに付いているシャンクローラーもかなり変形しているので、磨耗抵抗が増えてタッチが一層弾きにくくなりますので、一緒に交換が必要です。また、タテ型ピアノの場合にもフレンジコードが風化してボロボロになっていますので、アッセンブリーごとの交換が効果的です。
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ピアノの弦は工業的に使用されるピアノ線とは違って、ミュージックワイヤーと呼ばれる音楽的な特性を持った鋼鉄の線ですが、鋼線は長い間引っ張られると張力に比例して伸びてゆき、ある所までくると伸び率が小さくなり、それ以上の力を加えると切れてしまいます。
♪ ピアノ線一本あたりの張力 80〜90s
♪ 一台の総張力 20トン
ピアノの弦は張ってから安定するまでに1年を要します。その間は音量も十分に出しきれませんが、その後10〜15年は減圧も安定して最高になるのですが、15〜20年はゆるいカーブで徐々に音の伸びがなくなり、20〜30年には若々しい音は望めませんが、逆に枯れた独特の音になります。但し、この音は好みの分かれるところでしょう。そして30年を超えると弦の寿命で金属疲労から自然断線が起こります。
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このハンマーアッセンブリー及びミュージックワイヤーの交換修理による効果は著しく、正しい調整と整音がなされれば、買った当時よりも良い音・良いタッチにすることが可能です。
つまり一般的に言われている寿命とは、ピアノの本当の寿命ではなく、消耗部品の部分的な寿命にすぎず、このオーバーホールは2回〜3回は可能ですので、国産のピアノでも80年〜90年は性能を維持出来ることになります。また堅木を使ったヨーロッパのピアノなら、さらに寿命は長くなり120年〜140年前に作られたピアノが現在でもたくさん良い音で鳴っています。
20年〜30年経ったピアノをお持ちの方で、音やタッチに不満を持っている方はオーバーホールを是非一度
お考え下さい。
愛着のある、あなたのピアノがきっと蘇ります。
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