富山県富山市八尾町。毎年9月には、「おわら風の盆」が開催され、多くの観光客が訪れます。 しかし、かつては養蚕や和紙で栄え、とくに蚕種の生産量は全国の四分の一を占めていたほどです。 もちろん、その蚕の餌となる桑園も多くありました。 「おわら風の盆」が夏場ではなく9月に行われるのも、養蚕の繁忙期を避けたためという説もあります。

時代の流れとともに八尾町の養蚕業・桑園は衰退してしまいましたが、 町内に「原蚕(げんさん)の坂」と呼ばれる坂があることや、風の盆の歌詞に桑摘みの場面が入っていることなどから、 八尾という街と養蚕が、どれほど密接に関わっていたのかが伺えると思います。


「地域と協働し、地域を創造する」を理念とするフォーレスト八尾会では、ぜひこの養蚕で栄えた歴史を活かしたいという思いから、 地元の団体・施設の協力を得て、平成16年より桑畑再生事業をはじめました。

八尾の山あいにある足谷地区にて、休耕田(4,113平方米)を活用し、桑園を営んでいます。 平成16年9月より、「越中八尾スロータウン特区」の認定を受け、その参入事業者の第1号として放棄田を借り受け、本格的に事業が開始しました。

桑園も10年を迎えた現在、草刈りや施肥からはじまり、桑枝の刈り取り、桑葉の摘み取り、剪定と、冬期以外の1年をかけて作業を行っています。 手間暇かけてつくられた桑の茶葉は、自主商品だけでなく、さまざまな商品に取り入れていただいています。


5月 〜 草刈り、堆肥、施肥
6月 〜 10月 収穫、乾燥 → 摘み取り
11月 剪定作業

八尾町室牧地区にある「桑の葉工房」です。 こちらでは、収穫した桑葉の検品、洗浄、乾燥、摘み取りを行います。 大きな桑枝も綺麗に洗浄できるシンクや大型乾燥機が設置されており、桑枝を吊るして乾燥させる干場が多数あります。


八尾町上新町にある「工房風のたより」です。 こちらでは収穫した桑葉を使用した桑菓子や桑茶を販売しているほか、 併設された「桑菓子工房まるべりー」にて、桑菓子づくりを行っています。