杉原神社由緒書
富山県婦負郡杉原村大字黒田字古國屋
当神社延喜式内社にして、古書に因るに祭神、木祖神、又の書杉原神と種々書説あり。由緒としては、
一、聖武天皇天平二年郷長小右衛門なるものあり。世々守護神として邸内に奉仕す。時に後病大いに流伝す。此に於いて郷民等神明の霊験あるを聞き小右衛門に請ふて一祠を建て衆人をして参拝せしむ。名付けて郷の明神と称す。其後上杉謙信越中侵略の際城尾の城主齋藤一鶴を攻む。一鶴明神祠内に陣し謙信馬を天神林に進め火を放ちて之を攻む。一鶴戦利あらずして遂に降を乞う。殿宇之れが為め兵奨に罹り其後再建して岩住村鎮座杉原大明神と称す。天和二年三月二日岩住村を分きて黒田、寺家、濱子の三ヶ村とし神社鎮座の地を黒田村と名づく。社領千五百三拾四歩を以て別当長久寺之れに奉仕し、元文五年火災の為メ再び社殿を失ひ文化五年現今の社殿を建築す。猶ほ社領五百三拾歩を有せしも明治維新の際上地せり。小右衛門一祠創立より今に至るまで千百有余年なり。
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